公開日:2020年9月13日 最終更新日:2020年9月13日
「夢に向かって何もしていないと感じるときでも、一歩も進めないと感じるときでも、そこに「立っている」という事実が、確実に進歩・成長している証拠だと感じられたら、夢が叶う日はそう遠くないと思います」と話す、絵本作家デビューを果たした、たまごさんの「夢を叶えるための1歩を踏みだす方法」をお届けします。
絵本を出版したキッカケは、数えきれないほどの「些細なことに思える出来事」の積み重ね
「母がよく読み聞かせてくれていたので、幼い頃から絵本が好きでした。数えきれないほどの「些細なことに思える出来事」が積み重なって、絵本を書くキッカケになったと思います」と、絵本作家デビューされた、イラストレーターのたまごさん。
物心がつき始めた幼い頃、お母様が通院していた病院の待合室で、大きな画用紙に花火の絵を描き、周囲の大人が優しく褒めてくれたこと。
小学生の頃、図書館の読み聞かせコーナーで紙芝居と出会い、家でオリジナルの紙芝居を書いてみたこと。
中学生の頃、授業の一環で創作絵本を作ったこと。
社会人になり、絵本の展示会や作品展で「絵本作家」という職業を具体的に知り、絵本作家のプロフィールや出版までの経緯に興味を持ったことで「夢」そのものに対する心の変化があったことを話してくださいました。
現実を生きることでイメージや思いが変化し、気づくことがある
「大人になってから絵本を読み返すと、子どもの頃に思い描いていたものとは、また違う印象を受けることが度々あり、私の中にあった「絵本の魅力」が「物語+挿絵」というイメージから、「物語+挿絵+作者」に変化していきました。
作者について知れば知るほど、絵本に対する私の思いが変化し、絵本の世界との距離も縮まっていったように感じました」と、たまごさん。
「私にとって絵本は、気づけばそこにあるもの、と言えるくらい身近な存在でした。ですから大人になった今でも、ビジネス書籍や小説などと同じように、本棚に絵本があるのはごく普通なことです。
そして、誰かにとっても「気づけばそこにあるもの」「いつもそばにあるもの」と、絵本が身近な存在であり続けたら素敵だと思います」と、絵本作家としての想いを語ってくださいました。
化学物質過敏症と向き合ったとき、電子書籍の可能性を感じた
絵本作家としてデビューされた、たまごさんですが、「本屋さんに並ぶ紙の出版ではなく、電子書籍出版を選んだ理由」を聞いてみました。
「私は化学物質過敏症という、極微量の化学物質にも敏感に反応する症状があるため、インクのにおいがとても強い、新書が置かれている本屋には、気軽に足を運ぶことが難しくなりました。
あるときTV番組で、たくさんの方が化学物質過敏症を発症していること、学校に行けず、自宅学習をせざるを得ない状況にある子どもたちがいることを知りました。
おこがましいのですが、私の電子書籍出版という一歩が、化学物質過敏症の子どもたちの「絵本との出会い」になり、勇気や希望に繋がればいいなと思ったのです」と、たまごさんは話してくださいました。
「夢を叶える」とは遠く離れたところにある、とてつもなく大きな何かを掴みに行くのではない
たまごさんに、「夢を叶える」とはどういうことなのか聞いてみました。
「私にとって「夢を叶える」とは、遠く離れたところにある、とてつもなく大きな何かを掴みに行くのではないんです。
目の前に見える、取るに足りないと思えるほど小さなものを手に取るか取らないか、触れるか触れないか、開くか開かないか、そのくらい些細な経験や出来事、瞬間に対して、自分の直感を信じて自信を持っていられるかどうかです。
今までの人生を振り返ると、何度も遠回りをしてきたように感じることもありますが、その経験こそが誰にもない自分の強みになり得るとも思っています」と、たまごさんは語っていました。
【取材協力】
絵本作家・イラストレーター たまご さん
北海道生まれ。インテリアデザイン専攻。リフォーム会社勤務後、渡米。帰国後「10ぴきのりすとふわふわほっとけーき」にて絵本作家デビュー。化学物質過敏症。趣味は自然散策、料理、ものづくり。
「10ぴきのりすとふわふわほっとけーき」
取材・文 / エルシーラボ編集部