公開日:2020年2月28日 最終更新日:2020年2月28日
昨年、ある女優さんのCMが「和洋MIXコーデの着物姿がかわいい!」と話題になりました。個性的なコーディネートがお好きな方は、着物をカジュアルに着こなすことで「自分磨き」のテクニックになります!アンティーク着物のレンタル、花嫁様の前撮り用着物サロンを運営する有限会社asの鍋島文子さんにお話を伺いました。
着物にも洋服と同じようにTPOや格がある!
最近、休日や余暇の過ごし方が「マンネリになっている」と感じませんか?
そんなときには、いつもと気分をガラッと変え、少し背伸びをする気持ちで着物を着て、「いつもとは違う自分」になって、「いつもとは違う場所」へのお出かけもいいかもしれません。
しかし、着物を着よう!と思ったとき、下記のようなハードルを感じるものです。
- 着物の着付けができない…
- 着物って、どこで買えばいいの?
- 着物を着て、どこに行ったらいいのかわからない…
「着物も洋服も同じですが、「好きな着物でどこへ出かけても大丈夫!」という事はありません。洋服と同じように着物にもTPOや格があります。
たとえば、結婚式への参列やパーティなど、「自分とは別に主役がいる場」で着物を着るのなら、「ドレスコード」や「着物のルール」をきちんと守って楽しむのがマナーです。
しかし、そういった堅苦しい話ではなくて、もっとカジュアルに気軽にファッションとして「着物を楽しむ方法」もたくさんあります!」と、鍋島さんはおっしゃいます。
着物の着付けができない方にオススメ!着物をカジュアルに着こなす「和洋MIXコーデ」
「「着物」というと、身構えてしまう人が多いですよね…」と、鍋島さんに質問してみました。
「「ルール通りにきちんと着物を着る」というハードル高めからのスタートではなく、もっとカジュアルに着物を楽しめて、より身近に着物を感じていただける、着物と洋服をミックスさせた「和洋MIXコーデ」で「着付けができない」という不安を解消できますよ!」と鍋島さん。
「和洋MIXコーデ」とは、着物の「和」と洋服の「洋」を文字通りミックスしたコーディネートのこと。昨年、ある女優さんが出演したCMで「和洋MIXコーデの着物姿がかわいい!」と話題になりました。
「普通に着物を着る場合、和装用の下着、長襦袢、着物、帯というように手順や必要な小物も沢山あり、長襦袢に縫い付ける半衿や、帯からちらっと見える帯揚げや帯締めなどの用意も必要です。
これらのコーディネートは楽しいけど、アイロンをあてて用意をする作業は、なかなか大変で面倒に感じます。
でも「和洋MIXコーデ」なら、むずかしい着付けの手順を簡単にし、着物のルールから少しくらい外れていても大丈夫なので、ファッションとしてカジュアルに着物を楽しむことができます」
とはいえ、最低限の着付けは必要になるそうですが、いまならYouTubeなどの動画で着付け方法を学ぶこともできるそうで、着付け教室へ通う必要もなく、気軽に着物に挑戦することができる、また簡単に着物を着ることができる便利なアイテムも、たくさん販売されているそうです。
カジュアルに着れる「ポリエステル素材の着物」や「リサイクル着物」で和洋コーデを楽しもう!
着物って、「絹や刺繍を贅沢に使った高価な物」というイメージがありますよね。高価な着物もありますが、それと同じくらい、手ごろな金額の着物も沢山あることはご存知ですか?
「いまは、お家で簡単に洗濯できるポリエステル素材のカジュアルな着物が沢山販売されています。気軽に着物屋さんでチェックしてみてください。
もちろん、着物にもサイズはありますが、あつらえの着物ではなく、すでに仕立て上がっていて、すぐに着ることができる着物だと、S・M・Lというように洋服と同じ感覚で選べるサイズ展開になっています。
人とかぶらない個性的なコーディネートがお好きな方は、リサイクル着物のお店がオススメです!」
こういう情報は、着物に対するハードルが下がりますよね!もしかしたら、リサイクル着物のお店へ行く前に、お家に代々伝わる着物がタンスに眠っていないかチェックしてみると、あなたにあった着物が見つかるかも…
「リサイクル着物には、現代では表現することがむずかしくなった、その時代ならではの色柄を楽しむことができ、良い素材を使ったものも多いです。
和洋MIXコーデなら、「身丈が短い着物にはスカートを合わせて、裾からスカートをのぞかせるコーディネート」や「ハイカットのスニーカーやブーツを合わせるコーディネート」も素敵です。
裄丈(袖の手が出る部分)が短かったら、ブラウスやお洒落なアームカバーなどを合わせると、袖が短くは見えないのでオススメです」と、和洋コーデのポイントを教えていただきました。
和洋コーデで「着物を楽しめるお出かけの場所」をご紹介!
せっかく着物を着たら、どこかにお出かけしたくなりますよね。鍋島さんオススメの「着物を楽しめるお出かけの場所」をご紹介します。
● 神社やお寺などで定期的に開催されている、蚤の市や骨董市
● 人気のカフェや古民家カフェ
● 観劇やコンサート、イベント、寄席
「お出かけ時のポイントがあります。着物で観劇へお出かけするときには、前のめりにならない帯結びにするといいと思います。劇場などの座席は背もたれに背を付けて座る事を前提に設計されていますので、帯の厚みが背中にあると、どうしても前のめりの姿勢になってしまい、後ろに座る人の視界の妨げとなるのです。
オススメは、観劇用帯枕や帯を体に巻きつけるだけで完成する「帯結ばない帯結び」です。この帯結びなら着物初心者さんでも簡単に結ぶ事ができて、より気軽に着物を楽しめると思いますよ」
着物は日本の伝統的なファッション
着物は日本の伝統的なファッションです。堅苦しく考えずに、着物をいうアイテムをもっと気軽にファッションの一部に取り入れてみてください。レトロなインテリアの喫茶店で、昔の映画のヒロインみたいに着物を着て読書なんて素敵ですね。
いつもの自分とは、ちょっと違う自分になれる。自分磨きのひとつとして、着物でのお出かけを楽しんでみてください。
【取材協力】
美容師
有限会社as 代表取締役 鍋島文子さん
美容師としてブライダル美容に携わり、花嫁着物から着物の魅力に魅入られ、現在はアンティーク着物のレンタルや花嫁様の前撮りなどの着物サロンを主宰。 2001年ヘアメイクas創立。 2006年有限会社as設立。
取材・文 / エルシーラボ編集部