公開日:2020年9月13日 最終更新日:2020年9月13日
出版するまでは「自分に何が出来るのだろう?」と漠然とした疑問や不安の中にいたという、たまごさん。出版を機に、自分がどんなことに興味を持っていて、どんな道を進みたいのか、何を目指しているのか、何を達成したいのか、何を望んで生きているのかが明確になったそう。憧れの仕事を手に入れる方法を聞いてみました。
知識のない素人が、学びながらプロ化する「素人革命」
「夢に向かって何もしていないと感じるときでも、一歩も進めないと感じるときでも、そこに「立っている」という事実が、確実に進歩・成長している証拠だと感じられたら、夢が叶う日はそう遠くないと思います」と話す、絵本作家デビューを果たした、たまごさん。
今は、以前ならプロがやっていた工程を、知識のない素人が自分でやり方をインターネットや本で学びながらプロ化していく「素人革命」の時代です。たまごさん自身、知識のないところから自分で調べて電子書籍出版を果たしました。
とはいえ、プロがやる工程を素人が自分で調べてやってみるというのは難しいことです。
わからないことも多く、途中で投げ出して諦めてしまう人が多い中、たまごさんは、どのようにして乗り越え、「憧れの仕事」を手に入れたのでしょうか。
不安とスリルと楽しみが合わさった感覚と「自分自身に足りないもの」の発見
「いざ出版しようと思ったとき、とてもドキドキ、ワクワクしていました。初めてのことを経験するときの不安とスリルと楽しみが合わさった感覚で、例えるなら、ジェットコースターに乗る直前のような気持ちです」と、たまごさんは語ります。
「出版するにあたり、様々な絵本を読み、「物語を書くことは楽しいだけではなく、時としてあらゆる角度から物事を捉えるための知識、洞察力、五感を通して感じたものを、相手に正確に伝える表現力などが求められる」ということに、改めて気づきました…」と、たまごさん。
絵本を書くことと出版することの違いを実感したとき、自分に「あるもの」と「ないもの」を見極め、その両方と向き合う時間を持ち、自分の進歩と成長を求められているような気がしたそうです。
時間がかかっても自分でやってみよう!と決断した理由
自分で出版までの工程をやってみよう!とチャレンジした、たまごさん。「時間がかかっても自分で何かに挑戦した!という達成感を味わいたかったんです」と話します。
「今は恵まれていて、専門家を訪ねたりせずに、家にいながら本やインターネットで調べることが出来る時代。まずは軽い気持ちで、「電子書籍」や「出版」などのシンプルなキーワードでインターネット検索してみました。
意外にも、電子書籍の出版方法について分かりやすく書かれた記事に沢山出会うことができました。独学で出版に挑戦することを楽観的に捉えていましたが、実際には山あり谷ありでした。
とはいえ、出版方法や手順を学んだことは、とても貴重な経験となり、自分への自信に繋がりました」と、たまごさんは語ります。
日本語版と英語版の両方を出版した理由
たまごさんは、日本語版と英語版の2種類の出版をされています。その理由をお聞きしました。
「日本語版と英語版の両方を出版した理由は、英語圏の友人たちも読める絵本を出版したかったからです。
また、私の大切な甥姪たちが、いつか国外に出て何かを学んだり、誰かと知り合ったりする際に、「英語を学ぶ」よりも「英語で学ぶ」ことに意識が向いて、それがごく自然なことになれば良いな…という想いもありました。
そして、自分が学んできた英語を使い続けることは、自分自身の進歩と成長に繋がるだろうと思ったことも理由です。私自身が学んできたことを、いつも使う機会をあえて作ろうと思ったのです」と、たまごさん。
想いを形にする方法として、日本語版と英語版の両方の出版になったのですね。
憧れの仕事を手に入れた先にある「これからの課題」
出版してみて、書き手と読み手の間にギャップがあることを知り、自分が書きたいことと読み手が求めていることを「すり寄せる努力」が必要だと感じた、たまごさん。
「家族や友人以外の方々からも思わぬ反響があり、応援をしてくださる方々がいることを知り、改めて、書き続けていくこと、より良い作品を生み出すことの責任も感じました」と、今後の課題を語ってくださいました。
出版を体験して、自分自身に対しても自信が増し、新しい自分を発見出来るようになったそうです。
「やってみたいな…」を形にすることが、夢を掴むということ。やってみないままでは、ただの願望にすぎません。
ぜひ、たまごさんのように、素人革命で「憧れの仕事」を手にしてみてくださいね。
【取材協力】
絵本作家・イラストレーター たまご さん
北海道生まれ。インテリアデザイン専攻。リフォーム会社勤務後、渡米。帰国後「10ぴきのりすとふわふわほっとけーき」にて絵本作家デビュー。化学物質過敏症。趣味は自然散策、料理、ものづくり。
「The Ten Squirrels and Fluffy Pancakes(英語版)」
取材・文 / エルシーラボ編集部