公開日:2020年8月20日 最終更新日:2020年8月20日
新型コロナウイルスの影響でオンラインやリモートワークが生活の中に溶け込み、インターネット経由のコミュニケーションが増えました。人と人とが直接会うことに規制がかかる今、必然的にネット依存率は高くなります。そんな生活が続く私たちの「注意したいネット情報に対する心構え」を考えてみましょう。
ネット情報を鵜のみにしてはいけない理由
「ネット情報が正しいわけではない」と、多くの人が気づいています。
とはいえ、それでもリアルでの情報収集が苦手な人や異業種・異世界の人との交流が少ない生活パターンの人には、ネット情報は「情報入手」の主流です。
そうなると、ネット情報を鵜のみにして誤解し、世界が狭くなってしまう危険性があります。「ネット情報の現状」を認識し、注意しながらリアル情報と照らし合わせ、正しい判断ができるようになりましょう。
AI化により便利になったが、情報が偏る傾向に…
世の中、あらゆる場面でAI化が進んでいます。気づかないうちに私たちの生活はAIに関係しているのです。その良い例が「ネット情報」。インターネット上では常に構造が変化しています。
私たちはAI化によっての「便利さ」を手に入れましたが、AI化によって「不確かさ」や「偏り」も潜んでいます。問題は「便利さ」を優先し過ぎると「不確かさ」や「偏り」に振り回されてしまう…ということ。
AIにはない「人間らしさ」を見失わないように、注意したいですね。
● パーソナライズの危険性
ほとんどの人が、ネット上で検索をしたことがあるのでは?と思いますが、この検索が便利になったと感じることはありませんか?
たとえば、ニュースサイトで表示されているトピックス。以前、あなたが興味をもって見ていたジャンル、検索していたジャンルの記事が多く表示されます。
スポーツが好きな人にはスポーツ記事が多く表示されます。あなたが検索した「有名ではない推しタレント」の記事も、あなたのニュースサイトでは表示されます。
これはニュースを提供するネット企業が、パーソナライズ(個人的な好みに応じたカスタマイズ配信)しているからです。
● エコー・チェンバー現象の危険性
ある閉じた空間でエコーのように響き渡る共鳴室を意味する言葉が「エコー・チェンバー現象」です。これはまさに、ライブハウスやカラオケボックスのイメージです。
SNSという閉じた空間では、同じ趣味・趣向や同業者・同年代の似た価値観の人が集まりやすく、価値観の押しつけや凝り固まった特定の考え方がエコーのように反響してしまいます。
そうなると、いわゆる「同調圧力」のような波が起こり、何が真実なのかは関係なくなり、SNS上で暴走する危険性があります。これが「集団化の暴走」の怖さです。
● フィルターバブルの危険性
パーソナライズの影響で、フィルターバブルという現象も起こります。
個人的な好みに応じたカスタマイズ配信は便利な反面、自分が創りだしたバブルのフィルターに包まれている状態なので、自分と異なった視点の情報に触れる機会をなくしてしまう…というもの。
要は、風通しが悪い状態なのです。
エコー・チェンバー現象を加速化させてしまう要因もあるので、情報が偏り、洗脳やコントロール、正義の暴走が起こりやすくなります。
「そういうものだ…」と理解した上で、広い視野を持つ重要性
これからの時代、インターネット経由でのコミュニケーションや情報収集は欠かせません。ネット依存率は高くなることでしょう。
こんな時代だからこそ、「注意したいネット情報に対する心構え」を持ち、正しく判断できる「自分自身の在り方・考え方」を確立することが大事。
情報に振り回されず、広い視野で俯瞰して判断し、自分の感覚を信じましょう。情報のソーシャルディスタンスも大事な時代です。
構成・文 / エルシーラボ編集部
【エルシーラボ編集部】
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