公開日:2020年2月28日 最終更新日:2020年2月28日
「これ以上、ひとりでは無理だ…」と感じたとき、「部下育成」という大きな壁にぶち当たります。仕事を任せることのジレンマは、アラフォー世代の課題でもあるのです。しかし、本当に仕事ができる人は、上手に仕事を分担させ、「人に任せる」ということができる人。育成スキルは、いま求められる時代です。
アラフォー世代から始まる「部下育成」というジレンマとストレス
20代、30代と仕事をがんばってきてアラフォー世代になると、悲しいかな「新人」「若手」ではなくなります。人からは「ベテラン」と呼ばれたり、役職がついたりする時期です。
そんなアラフォー世代が直面するのが「部下育成」という大きな壁。
「自分ではない人」を「仕事」というフィールドの中で育てるのが「部下育成」なのですが、それはいわば、会社の中で子育てをするようなもの。部下や後輩は「あなた」ではないので、思ったように育ってくれなくて当たり前なのです。
「あー、こんな想いをするのなら、やっぱり自分でやればよかった…」とのジレンマが、あなたのストレスになることもしばしばあるはずです。
なぜ、部下育成はジレンマに陥り、ストレスになるの?
部下や後輩に「仕事を任せる」ということは、「あなたではない人」、しかもスキルでいえば、あなたより劣るかもしれない人に「仕事を預ける」ということです。これは、仕事ができる人ほど勇気が必要になり、不安になります。
しかし、仕事が大きくなればなるほど、あなたひとりの時間やチカラではカバーできなくなります。必然的に、部分的であったにせよ、誰かに時間と手間を借りなくてはなりません。
そんなときに、部下や後輩が「頼れる存在」に育っていれば、あなたが抱えるジレンマやストレスは減り、あなたはもっと手広く、仕事を拡大させることができるようになります。
また、ONE TEAMが流行語のいま、「育成」、「チームワーク」、「リーダーシップ」は、仕事のスキルとして求められる時代。仕事の評価の対象にもなります。
部下育成は、あなたの未来への投資なのです。
【部下育成のポイント】部下や後輩を信じることから始めよう!
まずは、下記の感情を捨てましょう!
- 自分でやった方が断然早い
- 自分でやった方が質の高い仕事ができる
- 任せるための説明が大変で、その時間すら余裕がない
- 理解してもらえるのだろうか…と不安
- 上手く伝わらなくて、やり直す羽目になるのが嫌だ
このようなネガティブな思い込みの感情を捨て、部下や後輩を信じることから始めましょう。
あなたの部下や後輩は、あなたが育てる子供たち。母親のような気持ちで、フォローしながら見守りましょう。
そして、そんなあなたの大きな器を見て、評価している人は必ずいます。そのことを忘れないように「部下育成」に取り組んでください。
【部下育成のポイント】仕事を任せたあなたにも「サポート」という仕事がある
人は誰でも、初めての体験は緊張やプレッシャーも手伝って、手間も時間もかかってしまうものです。成功するのも、失敗するのも、あなたのサポートが必要になります。
あなたは、部下の仕事が成功するように導く存在です。そのために、任せた仕事の進捗状況のフォローアップは欠かせません。
性格にもよりますが、途中経過で上手くいっていないときに、「助けてください」といえない人はたくさんいますし、期待に応えたい想いやプライドで「報告できないタイプ」もいます。相手をよく観察して、サポートの手を差し伸べてください。
そして、考えてみて欲しいのです。
「もしも、部下に仕事を任せて失敗したとき、一番傷つくのは誰でしょう?」
一番傷つくのは、「仕事を任されたのに失敗したしまった…」と落ち込む部下なのです。
「もしも、任せた仕事が成功したら、一番歓ぶのは誰でしょう?」
一番歓ぶのは、「仕事を任され自信になった」部下なのです。
仕事の成功は自信やモチベーションになり、やる気につながります。部下が自信をもって仕事に取り組めるように、仕事を任せたあなたにも「サポート」という仕事があるのです。
部下や後輩にどんな仕事を任せたらいいのだろう?
まずは、あなたの仕事のランク付けをしましょう。
「あなたにしかできない仕事」を省き、「あなたではなくてもできる仕事」を部下に任せましょう。
そして、次の段階で「もしかすると部下にはできないかもしれないけど、部下の成長のためには必要な仕事」を任せてみましょう。このとき必ずあなたのサポートが必要になりますので、そのことを忘れずに。
こんなふうに段階を経て、仕事のランクをあげながら部下の成長を見守っていきましょう。
部下や後輩に仕事を任せる理由を忘れずに…
部下や後輩に「仕事を任せる」ということは、「あなたの覚悟」が必要になります。
しかしそれは、あなたが自分の時間に限界を感じるからこそ、「あなたの時間を空けるため」です。部下や後輩に仕事を任せる理由は、あなたの未来のためなのです。
これからあなたがもっと仕事を広げ、ステージアップするために「育成」という子育てを1つの武器にして、部下とともにがんばっていきましょう。
【監修協力】
株式会社イオ・マーケティング 代表取締役
岡崎恵里さん
株式会社ぐるなびを2011年に退職後、独立し、店舗販促のコンサルティングに携わる。現在、株式会社イオ・マーケティング代表取締役として、スタッフの育成にも励みながら、店舗の集客、売上アップの支援を行っている。
取材・文 / エルシーラボ編集部