公開日:2020年3月14日 最終更新日:2020年3月14日
多数の業界でトップセールスウーマンの実績を残して独立し、人材育成コンサルタントとして「女性活躍推進」をテーマに講演されている上平薫里さんに、前編に引き続き、女性のキャリアと社外メンターについてお話を伺いました。活躍したい女性が多い今、女性が活躍できる環境づくりも大切な要素ですね。
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「誰に相談するのか…」というポイントは、同じような体験を持つロールモデルに相談すること!
仕事の悩みは、誰もが多かれ少なかれ抱えているもの。
しかし、相談しやすい相手が、あなたの悩みに合った体験を持っているのかは、また別問題。ピントがズレたアドバイスでは、よけいに混乱してしまいます。
「悩み解決の早道は、「同じような体験を持つロールモデルに相談すること」と、上平さんはおっしゃいます。
「仕事のやり方や業務については、男性の先輩でも解決策をアドバイスできますが、女性のキャリアアップなどの悩みは、異性に相談するより、同性に相談する方が的を射たアドバイスがもらえます。実践できないアドバイスをもらっても、いつまでも悩みは解決できないんです…
社外メンターにも、いろんな経歴を持った人がいらっしゃいますので、自分と同じ体験をしているロールモデル、または自分がなりたい姿の延長線上にいるロールモデルを選ぶといいと思います」と、社外メンターを選ぶポイントを教えていただきました。
社外メンターって、どんなことをするの?
まだ耳慣れない社外メンター。いったい、どういったものなのか、上平さんに伺いました。
「社外メンターがおこなうのは「メンタリング」というもの。個人のキャリア・成長を支援していくためのもので、何かを教えこむものではないです。
相談者にはそれぞれの立場もありますし、考え方や価値観は、人それぞれ違います。
相談者が自分の価値を再認識して、自分らしく決断・行動していけるように導き、サポートするのがメンタリングなんです。
ロールモデルの先輩に相談するように気軽に利用して欲しいと思います。心のモヤモヤを吐き出す場所があるということで、随分、気が楽になると思いますよ」
自分に合ったメンターを探して出会えたとき、本当にホッとしたんです…
「たとえば、キャリアアップで悩んでいる人は、その過程で「退職」が伴うケースがあります。そんなとき社内のメンターには相談できませんよね。
また、個人事業主やフリーランスだと、相談する相手すらいない状態だと思います。自分で解決しないといけない!と、頑張りすぎているケースはたくさんあります。
私自身、仕事上の悩みを誰かに相談したかったのですが、当時、周りに信頼できる人がいなくて…
下手に相談して噂になったり、弱みになったりしたら嫌だな…とガードしてしまって、誰にも相談できずにひとりで悩んでいた時期がありました。
自分に合ったメンターを探して出会えたとき、本当にホッとしたんです。肩の荷が降りたというか、背負っていたものが軽くなりました。
私の場合、理解してくれる人がいるという安心感は、どんな方法論よりも精神的に効果的でした。精神的に落ち着くと、悩む必要がないことで悩んでいたことにも気づけたりしました。それだけ、世間知らずで頑張っていたんです…」と、上平さんはご自身の体験談を振り返ります。
「私自身、メンターという存在を知らなくて苦しみました。知っていたら、もっと楽だったと思います」と、上平さんはおっしゃいます。
きっと、上平さんと同じように、個人事業主やフリーランスの方で「我慢の限界まで耐えている」という方は多いのではないでしょうか。
【取材協力】
人材育成コンサルタント・講師・ライター
ワンステップ代表 上平薫里さん
多数の業界でトップセールスウーマンとして実績を残し、独立。「現場たたき上げ」で培った体験談・クライアントのデータを元に、全国各地で講演・セミナー・研修・コンサルティング・執筆など精力的に展開している。
取材・文 / エルシーラボ編集部